寝る前に、オードリー春日ばりに「赤ちゃんのおしりふき」で体を拭きましたが、
朝起きて薄暗い中、タオルを濡らして体を拭くと
めちゃくちゃ気持いいんですな!タオルばんざい!
と、風呂にも入らず2日目。アサー!

JR北条駅でトイレを借り歯磨きしてると、自転車に乗ってるおじさんが近寄ってきまして
「あんた、歩き遍路さんかな。おつかれさん」と。
ポケットをごそごそしてらっしゃるので「あ、お接待かな?」と一瞬思いましたが
「ちょっとな、財布忘れてもうて。」ああ、いやそんな、いいんですいいんです。
「2、300円貸してくれんかな」・・・・・
ふたつ向こうのJR粟井駅まで行かなあかん、と。
携帯電話は持ってたけど財布を忘れた、と。
2、300円貸してくれ、と。
自転車に乗ってるんだからそれで行きゃええやん、とか、
電話あるんならどなたかに迎えにきてもらやええやん、とか、
思いましたが、なんかもう、遍路にお金を無心するという悲しさが耐えられなくて
じゃあ200円でいいですか、と言うと
「いや300円。300円いるやろ」と。悲しいよ、おっちゃん。
結局300円渡すと「ありがとう。気をつけてな~」
まあ、こっちもお接待されることもよくあるので、
お接待した、ということにしました。
気を取り直して、出発。
旧北条市にあるおうち。なんか派手。

携帯電話の電池残量が怪しかったんですが、
立ち寄った鎌大師の東屋で充電することができました。
お礼に納札と10円置いて。

「円明寺」は「えんみょうじ」、「延命寺」は「えんめいじ」。

廃屋の中に、小さな冷蔵庫が。モーター音がかすかに聞こえてましたから
生きてるようです。手前の椅子に座って冷たいのをキュッとやるのかな。

ツタがびっしりのヤシの木。

わかりにくいですが今治市に入りました。
今治市(旧菊間町)に入ってどれくらい歩いたでしょうか。
足が痛くて、金剛杖に頼って3本足で歩いてる感じ。
うつむき加減で歩いてますと、

これ、昔ガシャポンで売られてたプラモデルの
SD・ヘビーメタル グライアの腕です。ピンボケですが。
我ながらよく見つけた!

こっちは胴体のパーツかな。そのままにしておきました。

菊間町は瓦の町。

魅力的な作業船。たまらん。

派手。



太陽石油の精製工場。たまらん。

太陽石油のすぐそばにある、青木地蔵堂(立川大師)。善根宿がある!

ANA。

JAL。
歩いてると、同じようなペースで歩く何人かのお遍路さんと会うようになります。
今回は別々のおじさん遍路二人がいたんです。
足が痛くてフラフラの僕よりも歩くスピードは圧倒的にあちらの方が速いんですが
追い抜かれた、と思って休憩してたら後ろから追い抜かれたり。
不思議なもんです。

13時40分、やっと54番延命寺に着きました。写真は寺手前の建物。
鳥山明風お大師さん。
延命寺境内で若い夫婦が、ご主人がお経を読み奥さんが自らのお腹をさすっている。
妊婦さんだった。この夫婦は次の南光坊でも見かけたので、88ヶ寺回ってるのかな。
無事に生まれますように、と自然に思うことができる。
追い抜かれたはずのおじさんが後から来る。
もう足が限界だったけど、次の寺まで3.4kmということで
そこまで行くことにしました。

背の高い作物をどうにかするための農機具。かっこいい。
静かな住宅地を抜けたあたりで、通り過ぎた車からおばさんが降り、走ってくる。
「お接待させてください。おいしいとこのやから。
飲み物じゃなくてごめんね」


今治城です。
うそ。ただのマンションです。
大きな霊園(墓地)を抜け、
15時15分、55番南光坊着。
かなりフラフラで、納経するのに数段登るのもしんどいくらい。
納経所で「あんたそうとう足に来てるな」と笑われました。
納経について色々教えてくれたんですが、ご住職かな?
と思ったけど、Facebookのコミュニティで
南光坊で同じような体験をした方がいて、「平井さん」という人だそう。
有名なんですね。
実はここのお寺、大学時代の同級生のご実家なんです。
学生時代にお堂を見学させてもらったことがあったなあ。
足を休めてると、若い先達さんが「歩きですか?ご苦労様です」と
ペットボトルのお茶をお接待してくれた。
納札を渡す間も無く立ち去らはった。
二日間、歩きまくった(70kmくらいかな?)道のりも
電車で1時間。
文明よ!文明よ!
市内電車を降りたところで、改札のおばちゃんに
「歩き遍路さん?あたしお遍路さん好きなんよ、お弁当でも買って」と
1000円を渡される。
というわけで、突発的に歩いた5月の遍路。
色々考えることもありましたが、一番考えたのは
「足が痛い」ということでした。
まだ膝裏痛いもんね。
でもまた歩きたい!